現在、助産院での出産は全体出生数の約1%となっています。平成29年度に生まれた赤ちゃんは94万1000人となっており、助産院で生まれた赤ちゃんは毎年1万人前後で推移しています。
わたし自身は3人の子どもを助産院で出産しました。勤務先は病院やクリニックでしたから、どちらのメリット、デメリットも知っています。
そのうえで、わたしがこれから出産される方に伝えたいことは、
出産する力は、人間に備わった自然なものだということです。
出産は本能です。本能を最大限に引き出すことがとても大切です。
助産院ではそれができます。
助産院での出産について少し考えてみませんか?
助産院での自然出産のデメリット
まず、よく言われる助産院での出産のデメリットについて考えたいと思います。
医師が不在のため
- 医療行為が限られる
- 緊急時には妊婦さんもしくは産まれた赤ちゃん、ママは病院へ転院しなければいけない
- 搬送時間がかかるため、対応が遅れることがある
- 搬送の判断は助産師の裁量になる
- 医療機器・物品は最低限のみしかない
何よりも大きく、不安であるポイントとしては医師がおらず、医療機器・物品も最低限のため何かあった場合の対応が遅れる点であると思います。
ただ、助産院で出産する時のリスクは
妊娠中からの自己管理と、無理せず早めの搬送
によりある程度は自分でコントロールすることができると思っています。
助産院での自然出産のもつ力
なぜ助産院での自然出産を勧めるのか?
自然出産はママにとっても赤ちゃんにとっても最も自然で負担が少ないものだからです。
負担の少ない出産は、ママの体の回復もはやく、その後の育児も楽にしてくれます。
助産院での出産は
『自分の体と向き合い、赤ちゃんと対話しながら、自分で産み出す』
ものです
陣痛は何度経験しても痛いです。極限の状況の中、
ありのままの自分を受け入れてもらえた。赤ちゃんと一緒に頑張って乗り越えられた。
その体験が自信になり、ママを成長させてくれます。
出産直後の穏やかで優しい、幸せいっぱいの空気。そこにいるだけで満たされる…
自分の体と向き合い、赤ちゃんと一緒に出産という山を登ってみませんか?
どんな景色が見えるのかわくわくしませんか?
助産院でなければ自然出産はできないのか?
そんなことはありません。ただ、病院やクリニックでの出産は、どうしても施設主導になりがちで「〜しましょう」と言われて動く受動的な出産になりやすいです。
また産む姿勢や家族の立会いが制限されていたりすることがあります。
そのような環境のなかで、リラックスして、自分と向き合って、自分のしたい出産をするのは難しい現状があると思います。
というか、そもそも多くの妊婦さんが、自分はどんな出産をしたいのかをじっくり考えることをしていないのではないかと思います。
忙しい病院では、中々じっくり妊婦さんと話す機会を設けることができないので、医療者側のサポートが不足してしまっている現状もあります。
医療介入が必要な出産もあります
もちろん医療介入の必要な出産もあります。助産院での出産ができないハイリスクの妊婦さんも増えています。
医療の発達により、ママや赤ちゃんの死亡率が下がってきていることも事実です。
ですから医療を否定するつもりはなく、自然出産ができない(できなかった)から、と敗北感を抱く必要など全くないと思っています。
妊娠中に努力したことは無駄ではなく、あなたの力になります。
赤ちゃんとママが元気でいることが第一です。
ただ、一方で、医療に頼りすぎ、自分の産む力を最大限に活かしきれていない現状もあると感じます。
どこで産むにしても、
『自分はどのようなお産がしたいのか』
をもっと日本人は考えるべきではないでしょうか?
助産院ではそれを必ず考え、妊娠中から自分の体と向き合い出産します。病院に比べ自由度も高いので、結果、満足な出産体験ができているのではないかと思うのです。
そして、徹底的に自分の体と向き合う体験をすることで、自分が何をしたいのかを自然に感じ、選び取ることができるようになり、結果、生きやすくなるのではないかと感じます。
助産院で出産したママの多くが「またお世話になります」とか「またお世話になることがあったら」と言って退院していきます。
出産したばかりなのに次のお産のことを考えているんですよ。病院勤務していた時には、あまり聞くことがなかった言葉です。
この少子化の時代にあって、実際3人、4人、中には6人出産されるママもいます。
出産場所をどう選びますか
出産場所をどんな理由で選びますか?
友達や親が勧める、設備がきれい、エステや豪華な食事がある。
あなたの大切な赤ちゃんを迎える場所・環境として、それは、そんなに重要ですか?
あなたはどんな環境でどんな人がいてくれたら安心できますか?
自宅のような落ち着ける部屋で、信頼している助産師に寄り添ってもらう出産。
出産の時には、何よりも、リラックスできる環境かどうかが、大切だと思います。
自分の考え方や生き方に大きな影響を与えてくれた自然出産を、一人でも多くの女性に体験してほしい。
一人の助産師として、そして一人の女性としてそう思っています。
あなたが妊娠した時に、どこで出産するか考えるとき、助産院という選択肢もあることを知っていてほしいと思い記事にしました。
また、3人の出産体験も後々書き綴っていきたいと思います(^^♪
あなたはあなたのまま自然体でいいんですよ。
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