産院で授乳前に清浄綿で拭きとるように指導されることがあります。
結構「いつまで続けたらいいですか?」と質問頂くので、清浄綿の必要性について書きます。
清浄綿での拭き取りをするのはなぜ?
これは、新生児は特に感染に弱く、乳頭についている菌が赤ちゃんに感染症を引き起こすことを防ぐためとされていました。
ですが、これに根拠はなく、清浄綿がお産セットに入っていない産院も増えてきています。
ただ、まだ産院で乳頭の消毒を指導される方もいらっしゃるのが現実。これらの産院では「以前からそうだから続けている」という、単なる習慣として引き継がれている可能性があります。
なぜ拭き取りが必要ないのか?
母親の常在菌は赤ちゃんにとって最も安全
出生直後、カンガルーケアによる早期母子接触によって、赤ちゃんは母親の常在菌をもらいます。このことで、免疫力がアップすることがわかっています。
母親の常在菌をもらうことにより、他の菌から身を守ることができるようになるのです。
つまり、母親の常在菌は赤ちゃんにとって、他のどの菌よりも、最も安全な菌です。
ですから、乳頭の菌を拭きとる必要性は最初からありません。
乳頭を保護する成分を拭きとってしまうので、乳頭が傷つきやすくなる
乳頭にあるぶつぶつは、モントゴメリー腺と呼ばれ、汗腺の一種です。モントゴメリー腺からは、乳頭を乾燥から守り、外の刺激から保護する皮脂が出ています。
また、乳頭部分は粘膜でもともと刺激に弱い部分です。それに加え、授乳による赤ちゃんの吸引による刺激は乳頭にとってはとても強いもの。
清浄綿で乳頭を保護する皮脂を拭きとってしまうと、乳頭が傷つきやすくなってしまいます。
乳頭ケアは、清潔を保てば十分
出産後、必要な乳頭のケアは、
- 1日1回シャワーで流し、清潔にする
- 母乳パッドを使用する場合には授乳毎に交換
人間の皮膚には自浄作用がありますので、1日1回お湯で流すだけで清潔を保つことができます。
注意が必要な場合は、母乳パッドを使用する時です。
母乳は栄養豊富ですので、長時間同じ母乳パッドをしていると、細菌が繁殖する原因になることがあります。また、蒸れて痒くなってしまうこともあります。
ですから、母乳パッドは、授乳のたびに交換しましょう。
とはいいつつも、夜はそんなに汚れていなければ、そのまま朝まで替えないこともあります(;^_^A
授乳の時は、そのまま乳頭をくわえさせればOKです!
清浄綿は赤ちゃんの目ヤニやおしりふきに
お産セットに清浄綿が入っていた場合は、赤ちゃんの目ヤニやおしりふきに使えます。乳頭の消毒用は必要ありませんので、違うことに使いましょう。
赤ちゃん、目ヤニがでることは結構多いんです。そんな時、滅菌されている清潔な清浄綿は大活躍します!
泣いている赤ちゃんを待たせて、おっぱいを清浄綿で拭きとることは全く必要ありません。不必要なことはどんどん減らして、楽ちん育児を楽しみましょう(^^♪
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