妊娠中、ママの食べたものは、赤ちゃんへ胎盤を通って移行します。
生ものやアルコールを避けることは、よく言われていますね。
でも、食べ物に使われている、農薬について考える人は少数派だと思います。
今回は、ネオニコチノイド系農薬(以下ネオニコ)の影響について紹介します。
- ネオニコは、胎盤を通して胎児に移行する
- ADHDや自閉症との関連の可能性があると報告あり
- 妊娠中は、可能な限り無農薬・省農薬のものを食べる方がいい
気をつけなければならないネオニコの神経毒性
「ネオニコチノイド系農薬が母親から胎児に移行した」との論文が発表されました。
母乳等の影響もない状態での尿検査であり、胎内での移行によるものだそうです。
ネオニコチノイド系農薬(以下、ネオニコ)は、農地での殺虫剤として大量散布されるほか、園芸用の殺虫剤、ゴキブリやシロアリなどの害虫駆除剤にも使用されている農薬です。
とても身近に使用されている農薬で、ホームセンターでも購入できます。
そして、スーパーで売っている野菜や果物、お米等様々な食べ物に使用されています。
食べ物から摂取したネオニコは、ある程度は尿から排出されますが、一部は体の中に残ります。
このネオニコ、神経毒性があるのです。
神経毒とは、神経細胞(神経単位、ニューロン)に特異的に作用する毒のことである。通常、膜蛋白質とイオンチャネルとの相互作用によって効果を及ぼす。一般的な作用は麻痺であり、それは極めて急速に起こる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』神経毒
EUからは、ヒトの神経発達障害との関連の可能性があると報告されています。
さらに、ADHDや自閉症との関連も懸念されています。
胎児期の特性と、農薬に気をつけなければならないわけ
胎児は10か月で一つの細胞から、3kg前後まで成長します。
その成長スピードはとても早く、細胞分裂が盛んなため、大人よりずっと、薬物などの影響を受けやすい状態にあります。
特に、妊娠初期は色々な器官が作られる時期です。この時期に、神経も発達していきますので、妊娠初期は、特に気をつけたい時期になります。
ネオニコを避けるためにはどうしたらいいのか
わたしたちは食べなければ生きられません。
でも、その食材が農薬に汚染されていたら?
ネオニコは、植物の内部に浸透するため、洗っても落とすことができません。
ではこのネオニコ、どうやって避ければいいのか?
妊娠を希望した時から、可能な限り、無農薬の食材を選ぶしかありません。
ネオニコが体の中で減少するまでには1か月かかると言われてので、妊娠してからではなく、妊娠を希望した時から、無農薬の食材を選びましょう。
農薬から子どもを守る行動は母親がする
妊娠してから意識することが多いであろう、「食の安全」。
添加物だけでなく、食材そのものの安全にも気を配るべきですね。
自分の子どもは誰が守るのか。
最近ますます経済優先に感じられる国は、おそらく守ってはくれません。
わたしは、後から、知らなかったと後悔したくありません。
国だけではなく、他人の言うことも、一旦は本当にそうなのかを自分で考えて、
自分で選択していくことが何より大切だと思っています。
日本ではネオニコは、規制されるどころか、むしろ基準値が緩和の方向に向かっているのが現状です。
できる限り、無農薬の食材を購入することが、子ども達を守ることになります。
それだけではなく、無農薬で栽培してくれている農家さんを応援し、自然環境を守ることにもつながります。
一人ひとりは小さな力でも、行動しなければ、何も変わりません。
子ども達の未来のために、何が必要なのか、今後もアンテナを張っていたいと思っています。
現在も、胎児への農薬の影響に対する研究が引き続き行われているようで、こちらの結果にも注目していきたいと思います。
原文:
論文「極低出生体重児の出生直後の尿のLC-ESI/MS/MSによるネオニコチノイド分析」
LC-ESI/MS/MS analysis of neonicotinoids in urine of very low birth weight infants at birth(PLOS ON / 2019.7.1)
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