風邪や頭痛、花粉症など調子が悪くて、内服薬を飲んだ後、妊娠に気づいた!大丈夫だったのかな?赤ちゃんに影響があったらどうしようと心配になることもありますよね。
薬を飲んだ時期により、赤ちゃんに与える影響が変わります。今日は妊娠の週数別で赤ちゃんへの影響の可能性を紹介します。
- 妊活中の薬はいつまで飲んでも大丈夫か知りたい
- 妊娠に気づかず飲んでしまったけど大丈夫?
※妊娠0週は最終月経の1日目からカウントします。月経周期にもよりますが、次の月経予定日には妊娠約4週ということになります。
※排卵の時期により、実際の妊娠週数が最終月経からのものとずれてしまうことがあるので、予定日が決まるまでの妊娠週数はあくまで目安になります。
妊娠0~4週未満(受精から14日間まで)
この時期はAll or Noneの時期と呼ばれています。仮に内服薬が赤ちゃんに影響があった場合には、赤ちゃんは着床しない、もしくは流産という経過を辿ると言われています。
逆に、内服をしていても、妊娠が継続していれば、薬の影響を心配する必要がない時期です。
妊娠4~7週(妊娠2か月)
この時期は「絶対過敏期」と呼ばれています。赤ちゃんの体の様々な重要器官が作られる時期であり、妊娠期間中の中で、『奇形に対する影響が一番大きい時期』になります。
この時期は、まだ妊娠に気づいていない場合もあります。
しかし、妊娠の可能性がある場合には、月経後3週目以降~次の月経が開始するまでの内服は避けた方が無難だと思います。
排卵が1週間早いと月経予定日には妊娠5週相当になることがあるので、余裕をみて月経3週後ぐらいから、もしくは排卵後は内服しない方が安心だと個人的には考えます。
妊娠8週~15週(妊娠3~4か月)
この時期は「相対過敏期」と呼ばれています。大切な器官は作られた後ですが、口の中など、まだ細部の形成は続いています。
なので、妊娠4~7週に比べれば赤ちゃんの奇形への影響は少なくなりますが、全く影響がないとは言えず、どうしても必要な薬以外は避けた方が無難です。
妊娠16週~出産まで(妊娠5か月~10か月)
この時期は「潜在過敏期」と呼ばれています。
赤ちゃんの体の形成は大体終わっているので、この時期は奇形のリスクはほぼなくなります。
ただし、内服した薬は胎盤を通して赤ちゃんに移行するため、赤ちゃんの成長に影響を与えることがあります。
赤ちゃんに影響を与えることがはっきりわかっている薬
身近にある薬で、赤ちゃんへの影響がわかっているものをまとめます。
てんかん薬、抗がん剤など明らかに治療の必要な病気で処方される薬は載せていません。
- ビタミンA誘導体(チョコラA):とり目や目の乾燥で処方。蓄積していくビタミンであり、過剰摂取すると赤ちゃんの奇形の原因(10~25%)になる
- NSAIDs(ボルタレン):妊娠後期の内服で赤ちゃんの高血圧、羊水の減少
- ヨード(イソジンガーグル):赤ちゃんの甲状腺機能を抑制。うがい等する場合にはヨードの入っていないものを使用しましょう。
薬以外でも、アルコールやたばこも赤ちゃんの成長発達に影響があります。
妊娠に気づかずに薬を飲んでしまった場合
妊娠期間中は、どの時期でも必要な内服以外は避けることが無難ですね。
薬が原因の奇形は1~2%と言われています。このうちのほとんどが、てんかん薬など、奇形の原因となることがわかっていても、病気のために内服を止めることができなかった場合です。
ですから、気づかず飲んでしまった場合でも、実は自然に発生する奇形率の方(3%)が高く、過度に心配しなくてもいいのかなとは思います。
体の中に長期間残ってしまい、赤ちゃんの奇形を発生させるような薬を使う場合には、医師から避妊の説明があると思いますので、特別な指示がない場合は大丈夫な場合がほとんどです^^
ほとんどの薬は、内服後数日で体の外へ排出されていきます。
ただし、飲んだ薬や時期・期間・量により影響は変わってきますので、心配な場合には、医師や専門機関にご相談くださいね。
※持病がある方は、自己判断で内服を中止せず、必ずかかりつけ医師に相談しましょう。
参考文献 村島温子/山内愛:[飲んで大丈夫?やめて大丈夫?]妊娠・授乳と薬の知識,医学書院,2010
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