哺乳瓶の乳首、「いつ大きいものに変えたらいいですか」とご質問頂くことがあります。
この記事では、乳首のサイズ選びのポイントとその理由を説明します。
さらに、お口を育てるためのおすすめの乳首も紹介します。
- 赤ちゃんの口腔機能の発達のため、哺乳瓶の乳首のサイズは小さめを選ぶ
- お口育てのためのお勧め乳首は母乳相談室
哺乳瓶の乳首のサイズはできるだけ小さいものを選ぶ

哺乳瓶の乳首のサイズアップが推奨されるわけ
哺乳瓶の乳首のサイズは、メーカーにもよりますが、SS~LLまでさまざまです。
違いは、穴の大きさや形。
月齢がすすみ、1回に飲む量が増えてくると、大きめの乳首が推奨されています。
なぜか?
飲む量が増えると、小さい穴の乳首では、少しずつしかミルクが出ないため、飲むのに時間がかかってしまうからです。

でも、わたしは、乳首のサイズは、メーカー推奨の月齢で選ばず、できるだけ小さいサイズを使用し続けることをお勧めします。
哺乳瓶の乳首のサイズを変えない方がいい理由
哺乳瓶の乳首のサイズを変えない方がいい理由は、赤ちゃんのお口を育てるためです。
ママの乳管の太さは、最初に母乳を飲ませる時から、卒乳までずっと変わりません。ですから、哺乳瓶の場合でも、乳首のサイズを基本的には、変える必要はありません。
赤ちゃんは、舌で乳首をしごいて、母乳を飲みます。
これにより、唇や舌など、様々なお口周りの筋肉を鍛え、お口の機能を獲得していきます。
哺乳瓶の乳首の穴が大きく、少し噛んだだけで、たくさんのミルクが出てきて、楽に飲めるものだと、お口周りの筋肉が十分に育たない可能性があります。
お口の周りの筋肉を育てることの重要性
乳児期からお口の周りの筋肉を育て、しっかりと噛むことができるお口を作ること。
これは、赤ちゃんの健康や知能、運動能力の発達に、とても重要です。
- 唇や舌の筋力が弱いと、顎が十分に成長しないので、歯並びが悪くなります
- 唇がとじれず、お口ポカンとなって、口呼吸をするようになります。
- 口呼吸は、鼻呼吸に比べ、のどが乾燥し、ウイルスが入りやすく、風邪を引きやすくなります。
- 噛めないことで、胃腸への負担も大きく、カラダの成長発達にも関わります。
- 噛むことは、脳への刺激の役割もあるので、知能の発達にも関係があります。

お口の機能が正しく育たないと、たくさんデメリットがありますね
お勧めの哺乳瓶の乳首
一度にたくさん楽に飲める大きな穴の乳首は、赤ちゃんのためにはなりません。
哺乳時間は短くなるので、ママは楽です。赤ちゃんもその時は、楽に飲めますが、成長発達のためにはなりません。
お口育てのためには、母乳を下でしごいて、正しい姿勢で飲むことが最良です。
どの乳首でも、実際の母乳を飲む口の動きと全く同じにはできないのですが、近い飲み方ができるように作られているのは、ピジョンから発売されている、母乳相談室という哺乳瓶・乳首です。
ドラッグストアには置いていないことが多いですが、ネットで購入できます。
母乳育児にしたいママだけではなく、赤ちゃんのお口を育てるために、混合栄養・完全ミルク、全てのママにおすすめします。
乳頭混乱(哺乳瓶の乳首に慣れてしまい、ママの乳首を吸ってくれなくなること)も起こりにくいです。
乳首を嫌がる、飲むのに時間がかかりすぎる、飲めない場合
他の乳首から、母乳相談室に変更した場合は、口の筋肉が弱いために、飲むことが大変になるので、嫌がる赤ちゃんもいます。
また、疲れて、途中で寝てしまったり・・・。
1日に必要な哺乳量が飲ませられない、時間がかかりすぎて、ママがしんどくなってしまう場合は、乳首のサイズを大きくしても大丈夫です。
特に、1か月を過ぎて、1回量が100mlを超えてくると、飲ませるのは大変かもしれません。
ですが、この場合も、なるべく小さめのサイズを使用するようにします。
また、お昼間など、時間や心に余裕のある場合は、より小さなサイズの乳首にするなど、乳首を使い分けてもいいです。
特に、L以上のサイズは、ほとんど舌を使わなくても飲めてしまうため、口の機能が発達しません。
ですから、どの月齢でも、使うサイズは大きくてもMサイズまで、小さめの乳首で飲めるのであれば、そちらを使うことをお勧めします。
授乳やミルクは1日8回以上。成長と共に、徐々に回数は減ってはいきますが、歯が生える前の、この時期の「飲む」という行為は、お口の機能を育てるためにとても重要です。
毎日の積み重ねが、後に大きな差になります。

お口育てのために哺乳瓶の乳首は、SS・Sサイズ。
無理でも、できるだけ小さいサイズを使うようにしましょう!
コメント